― 今年から来年へ、“年神様を迎える準備”のすべて
はじめに ― 「門松、どう置くんだっけ?」
年の瀬が近づくと、ふと頭をよぎる疑問。
門松って、いつから置くんだっけ?
玄関の外? 中? 左右はどっち?
マンションでも置いていい?
片づけるのはいつ?
毎年なんとなく見かけて、なんとなく「縁起物」として知っている門松。
でも、いざ自分で置こうとすると、意外と誰もちゃんと教えてくれないのが門松です。
私自身、結婚して初めての正月に「門松を置こう」と思い立ちましたが、いつ買えばいいのか、どこに置けばいいのか、まったく分かりませんでした。実家では当たり前に玄関にあったのに、「なぜ」「どうやって」は誰も教えてくれていなかったのです。
この記事では、
🎍 門松の意味と由来
🏠 家のタイプ別の置き方(戸建て/マンション)
📅 置く時期・避けたい日
🧹 正しい片づけ方・処分の仕方
💰 購入先と価格の目安
🧭 風水的に“玄関を整えるコツ”(方角断定ではなく、暮らしの整え方)
まで、初めての人でも迷わないように、ひとつずつ丁寧にまとめました。
※本記事は、日本の伝統文化・民俗信仰に基づいた内容です。科学的効果を保証するものではなく、「暮らしを整える文化的な知恵」としてお読みください🌿
※地域・神社・家庭によって習慣が異なる場合があります。迷ったら地元の神社(氏神様)の案内に合わせると安心です。

📚 目次
- 門松とは何か ― ただの正月飾りではない理由
- なぜ門松を置くのか ― 年神様を迎えるという考え方
- 門松の基本構成と竹の意味
- 基本の門松の置き方(左右・向き・場所)
- 家のタイプ別|門松の置き方(戸建て/マンション)
- いつから置く?避けたい日・おすすめの日
- 門松の選び方と購入先(価格帯も)
- 片づけ方と処分の仕方 ― してはいけないこと
- ミニ門松・現代的な門松という選択
- 私の体験談:初めて門松を置いた年
- よくある質問(Q&A)
- まとめ ― 門松は“一年の立ち姿”を整えるもの
1. 門松とは何か ― ただの正月飾りではない理由
門松(かどまつ)は、年神様(としがみさま)を迎えるための「依代(よりしろ)」とされる正月飾りです。
🌿 依代(よりしろ)とは?
神様が降りてくる際の「目印」であり、「宿る場所」のこと。
門松は、年神様に「この家にお越しください」と伝える役割を持つと考えられてきました。
🕰 門松の歴史(安全な言い回し)
門松は、古くから続く正月の風習で、中世以降に広く形づくられてきたとされます。地域や時代によって姿は変わりつつ、現在のような「松+竹」の形が親しまれてきました。
2. なぜ門松を置くのか ― 年神様を迎えるという思想
日本の正月は、「新しい年を祝う」だけの行事ではありません。
🎍 年神様とは?
年神様は、
- 一年の実り
- 家族の健康
- 命の循環
に関わる存在として語られてきました。
門松は、「どうぞ、この家に降りてきてください」という目印。
つまり門松は、運気を操作する道具というよりも、一年の始まりに“姿勢を整える文化”なのだと思います。

3. 門松の基本構成と竹の意味
🎍 門松の基本構成
- 🎋 竹:生命力・成長・まっすぐさ
- 🌲 松:常緑=不変・長寿
- 🌾 その他(地域差あり):梅・南天・葉牡丹など
🎋 竹が持つ意味(正確に)
竹は、
- 成長が早い
- 節をつけながら伸びる
- しなやかで折れにくい(折れても裂けにくい)
といった性質から、「始まり」「まっすぐさ」「しなやかさ」の象徴として扱われてきました。
※よく「切ってもまた伸びる」と言われますが、竹は切った部分から再生するわけではありません。正確には、地下茎(根)から新しい竹が伸びるという強い生命力を持ちます。
🌲 雄松と雌松の違い(安心の補足)
一般的に「向かって左が雄松、右が雌松」と案内されますが、市販の門松はほぼ左右で整えられているため、購入時に深く悩む必要はありません。
4. 基本の門松の置き方(ここだけ覚えればOK)
📍 置く場所(原則)
✅ 玄関の外、左右一対(2つ)
※難しければ玄関内でもOK(後述)
↔ 左右の基本
- 向かって左:雄松
- 向かって右:雌松
※市販品はだいたいセットで整っています。
🔎 向き(迷ったらこれ)
- 玄関に向けて正面に
- 斜めにしすぎない
- 動線の邪魔にならない位置に
💫こちらの記事もご一緒にどうぞ💫
🍂竹と歳時記 ― 四季の行事に見る“再生と祈り”の象徴
🎍竹が迎える年の神 ― 門松の歴史に宿る祈りと美
5. 家のタイプ別|門松の置き方
🏡 戸建ての場合
置き場所:
- 門の両脇
- 玄関の両脇
- 地面直置き or 台の上
注意点:
- 🌧 雨水が溜まらないように(水はけ確認)
- 🌬 強風で倒れないよう固定
- 🚶 通行の邪魔にならない位置
私の記憶:
実家は戸建てで、毎年玄関の両脇に門松を置いていました。父が「門松は家の顔だから」と言って、無難なタイミングで設置していたのを覚えています。
🏢 マンション・アパートの場合(ここ重要)
結論:玄関ドアの外(共用部)は“規約次第”です。
✅ まず確認:
- 管理規約
- 管理会社/管理人さんのルール
- 消防上の取り決め(避難経路の妨げにならないか)
※共用部への設置はNGのケースが多いです。必ず事前に確認すると安心です。
おすすめの方法:
- 🧺 玄関内の左右に置く
- 👟 靴箱の上に置く
- 🎍 ミニ門松・卓上タイプを使う
👉 「置けないからやらない」ではなく、置ける形にするのが今の時代の正解。

6. いつから置く?避けたい日・おすすめの日
⭕ 一般的な目安
- 12月13日以降:OK(事始め)
- 12月28日まで:いちばん無難
❌ 避けたい日(よく言われる目安)
- 12月29日: 「二重苦」「苦松(くまつ)」に通じるとして避けられがち
- 12月31日: 「一夜飾り」として、神様に失礼とされる
👍 おすすめの日(迷ったらここ)
- 12月26〜28日: 最も一般的
- 12月28日: 「八」が末広がりで縁起が良いとされる
私の習慣:
我が家は、年末のバタつきが落ち着くタイミングで、無理のない日に飾るようにしています。大事なのは、慌てずに“迎える気持ち”を整えることだと思うからです。
7. 門松の選び方と購入先(価格帯も)
💰 門松のサイズと価格帯(目安)
- 🎍 ミニ門松(30〜50cm): 2,000〜5,000円
- 🎍 中型(60〜90cm): 10,000〜20,000円
- 🎍 大型(120cm以上): 30,000円〜(幅あり)
※地域・素材(生花/造花)・作り手で大きく変わります。
🛒 購入先の選択肢(中立)
- ホームセンター:手頃・実物を見て選べる
- 園芸店・花屋:本格派・予約が必要な場合あり
- オンライン通販:種類豊富・配送日指定に注意(年末は混みやすい)
✅ 選び方のポイント
- 🏠 サイズ:玄関の広さに合わせる
- 🌿 素材:生花 or 造花(アートフラワー)
- 🎍 デザイン:伝統的 or モダン
- 💴 予算:無理のない範囲で
小さくても、気持ちが整えば十分。門松は「見栄」より「姿勢」の飾りです。
8. 片づけ方と処分の仕方 ― してはいけないこと
📅 いつ片づける?
松の内まで(目安):
- 関東:1月7日
- 関西:1月15日
※地域差あり。地元の習慣に合わせるのが一番です。
🔥 どう処分する?
① 神社のどんど焼き(最も一般的)
門松やしめ縄を持ち込める場合があります。日程は神社の案内で確認。
② 自治体のルールに従って処分
- 燃えるゴミ扱いになる地域もあります
- 気になる方は、塩で清めて白い紙に包み「ありがとうございました」と感謝して処分
③ 購入先の回収・引取(ある場合)
店舗や地域のサービスによって異なります。
❌ NG行為(気持ちの話として)
- 踏む/投げる
- ぞんざいに扱う
- 他のゴミと一緒に雑にまとめる

9. ミニ門松・現代的な門松という選択
最近は、暮らしに合わせてこんな選択も増えています👇
🎍 卓上門松
- 高さ20〜30cm
- 靴箱の上に置ける
- 手軽で続けやすい
🪴 観葉植物×門松風アレンジ
- 竹や松モチーフでモダン
- 室内向きで管理しやすい
🌟 造花(アートフラワー)の門松
- 毎年使える
- 手入れが楽
- 住宅事情に合う選択肢
大切なのは「形式」より「迎える気持ち」。
“できる形”で続けるのが、いちばん強いと思います。
10. 私の体験談:初めて門松を置いた年
結婚して初めての正月、「門松を置こう」と思い立ちました。
実家では当たり前に玄関にあった門松。でも、いざ自分で用意しようとすると、何も分かりませんでした。
失敗①:マンションの“外”に置こうとして注意された
玄関ドアの外に置こうとして、管理のルールを確認したところ「共用部には私物を置けない」と分かり、断念。
(この時、「まず規約確認」が大事だと学びました。)
失敗②:準備が遅くなり、選択肢が少なかった
忙しくて後回しにしてしまい、年末に探すことに。結果、希望のサイズがなく、ミニ門松を選ぶことになりました。
学び:
- マンションは“置ける場所”を先に決める
- 遅くとも12月26〜28日くらいまでに準備すると安心
- 「形式」より「迎える気持ち」が大切
今では、毎年“無理のない日”に、靴箱の上に小さな門松を置くのが恒例です。小さくても、ちゃんと「新しい年を迎える気持ち」は整います🎍

11. よくある質問(Q&A)
Q1. 門松は必ず一対(2本)じゃないとダメ?
A: 一対が基本ですが、スペースや事情で一本でも問題ありません。大切なのは「迎える気持ち」です。
Q2. 造花の門松でも意味はある?
A: 伝統的には生花が主流ですが、現代の住宅事情では造花も現実的です。続けやすい形を選ぶのが一番です。
Q3. マンションで門松を置けない場合は?
A: 玄関内(靴箱の上)や、室内の目立つ場所にミニ門松を。竹や松モチーフの正月飾りでも“迎える気持ち”は十分に整います。
Q4. 門松を置く「方角」は決まっている?
A: 基本は玄関に置くため、方角にこだわりすぎなくて大丈夫です。風水的には、方角よりも「玄関を整えること(掃除・明るさ・動線)」が大事、と考える流派も多いです。
Q5. 12月29日に置いてしまったらどうなる?
A: “避けたい日”として語られることはありますが、置いてしまったなら過度に心配しなくて大丈夫。大切なのは気持ちです。
12. まとめ ― 門松は“一年の立ち姿”を整えるもの
門松は、
- 運気を操作するものではなく
- 奇跡を起こす道具でもなく
「どう新しい年に立つか」を形にする文化です。
まっすぐに立つ竹のように、静かに、凛として、新しい年を迎える。
それだけで、暮らしの空気は少し変わります。
✅ 2025年末〜2026年版|置き方まとめ
- 📅 いつ置く? 12月26〜28日が無難(13日以降OK)
- 🏠 どこに置く? 戸建て:玄関外/マンション:玄関内が安心(規約確認)
- ↔ 左右は? 向かって左が雄松、右が雌松(市販品は整っている)
- 🧹 いつ片づける? 1/7(関東)・1/15(関西)目安
- 🔥 処分は? どんど焼き or 自治体ルール(感謝して手放す)
🪶 風竹通信のあとがき
門松は、声高に何かを主張しません。
ただ玄関に立って、「ここから一年が始まりますよ」と静かに教えてくれます。
忙しい年末だからこそ、ほんの少し立ち止まって。
竹と松に、新しい年への願いを預けてみてください。
あなたの2026年が、しなやかで、折れにくい一年になりますように🎍
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